株式会社クロセは業界に先駆けて、1955年より高級耐食材(チタン、チタン合金、ジルコン、ニオブ、タンタル、ハステロイ、インコネル、インコロイ、純ニッケル、モネル、2相系ステンレス、高純度フェライト系ステンレスおよびそれらのクラッド鋼)機器の設計・ 製作に着手し、また、これら材料による圧力容器の労働省の製造許可も取得しました。
チタン(比重4.54)の最大の特徴はステンレス鋼より優れた耐食性を有していることです。これは表面に形成される不動態被膜によるものであり、この不動態被膜は強固で破られてもすぐ再生される極めて安定したものです。
一般には酸化性、中性の酸や各種の塩化物溶液、有機酸などの腐食環境に対して優れた耐食性を示しますが、強い非酸化性の酸または錯塩には腐食されます。
比重がステンレス鋼の約60%、熱膨脹係数がステンレス鋼の約50%と比強度と耐食性を有する材料としてチタンを用いる機器は年々増加をたどり、石油化学、石油精製、尿素製造、合成繊維、公害防止などあらゆる産業面、分野で用いられています。
当社ではチタンの耐食性を生かした機器として塩素、塩水精製装置、ソーダ製造装置の電極、アセトン、アセトアルデヒド、テレフタル酸および肥料工業の反応機、反応槽、熱交換器、火力・原子力発電、海水淡水化装置、海洋関係の機器・部品等に多くの実績を持っております。
パラジウム入りチタンや、ニッケル-ルテニウム入り又はニッケル-モリブデン入り合金は非酸化性の酸や、隙間腐食を引き起す高温度、高濃度の環境に使用され、チタン合金(含6%Al-4%V)は高強度、高疲労あるいは高い表面硬さを要求される部分等の機器材料として使用されています。
ハステロイはニッケルをもとにモリブデン、クロムを添加した材料で Ni-MoのハステロイB、B-2、Ni-Mo-CrのハステロイC、C-276、C-4、C-22の他 ハステロイG、G-3、X などがあり、当社ではいずれの材料においても多くの納入実績を有し、ユーザー各位に寄与させて戴いております。
ハステロイC(比重8.94)、C-276(比重8.87)は、酸化性、還元性双方の酸、塩類に対して優れた耐食性を示し、広範囲な化学装置に使用されております。特に湿塩素ガス、次亜塩素酸塩および二酸化塩素に耐える数少ない材料であり、C-276は、溶接熱影響部における結晶粒界への炭化物の析出を防ぐことにより溶接部の耐食性を改良した材料です。
モネル(比重8.47-8.84)はNi-Cu系の一連の合金で、還元性雰囲気では純ニッケルより耐食性があり、また、流動海水、高温までのフッ素ガスなどに耐食性があります。ステンレス鋼で応力腐食割れを生じる塩化物を多少含む水蒸気中での熱交換器材料として、海水関連装置などの機器として多く使用されています。
純ニッケル(比重8.88)は、苛性ソーダを中心としたアルカリ類(アンモニア、アンモニア塩を除く)およびハロゲンガスに対し耐食性を有し、苛性ソーダ濃縮設備や、熱交換器、特殊反応機などに多数の納入実績があります。
インコロイ(比重8.14)は海水、亜硫酸ガス、硫酸、燐酸などの酸化性および還元性環境に対して優れた耐食性を持つNi-Cr-Fe-Cu-Mo合金であることから、食用油関係、油田ガス関係の機器の材料として多く使用されています。
その他特殊な加工を要する材料としては、SUS447J1(SHOMAC 30%Cr-2%Mo)を含む高純度フェライト系ステンレス鋼や2相系ステンレス鋼(NAS-64、NAR DP-3、NTK R-4 etc.)あるいはカーペンター20Cb、カーペンター20Cb3などがあり、いずれも労働省の製造許可を取得しております。EDCやアセトアルデヒド用関係機器でタンタル製の熱交換器等の機器の納入実績があります。また、純銀を使用しての化学装置の設計製作にも実績を有しております。